原因自分論
教師という仕事をしていると、絶対陥ってはいけないけど陥ってしまいがちなことがあります。そのひとつが
『原因自分論』
です。
例えば授業をしているとき、寝ている生徒がいるとします。
たいていの場合、
「〇〇君起きなさい!」
だったり、
「やる気がないのか!立っていなさい」
だったり、
寝ている生徒に原因があることにします。
もちろん大半の生徒は起きて授業を受けているだろうし、その子が前日寝れなかった理由があるのかもしれない。しかし、どんなに生徒に理由があったとしても、授業を工夫して、興味のあるものにしたらたいていの場合、眠くならずに授業を受けることができます。
それでも寝ているときには家庭での環境だったり、生活習慣だったりを聞き取るなど対処すれば、解決する場合がほとんどです。
人間相手の仕事のため、全部が全部思った通りにはいかないし、セオリー通りにはいかないときもあります。
しかし、原因が実は教師側にあるのに生徒に押し付けてしまっていることも多いと私は思います。
よく聞くこんな話…
教え子がプロ野球になったとします。
するとこんなことを言います。
「アイツは俺が育てたんだよ。」
また同級生は大学進学したものの
部内で問題を起こし、退学処分になりました。
「アイツは高校時代からどうしようもなかったんだよ…」
何気なく言っているこういった発言こそ『原因他人論』です。
自分を見つめ、その日その日を振り返り、授業の反省点は何か、軽率な言動はなかったか、生徒としっかりと会話できているか。
こういった反省をしなければいけないのは子どもも大人も一緒です。
何をやっても一生懸命にできる子は少ないアドバイスで自分から行動できる。多少言葉を誤って使っても真意を受け取って行動することができる。
普段先生方の指導を素直に受けることができない子や苦手が多い子にする指導こそ本来教師としての真価が問われている部分です。
こういった考え方は社会に出ても同じです。
まずは自分について振り返り変えていくこと。
そういう姿を見せ続けられる人になりたいです。
『安』
今年の漢字
『安』でしたね
安保法案
安全安心、不安
とにかく明るい安村?
・
・
・
確かにこうやって思い返すと『安』という言葉は確かに今年たくさん見たなと実感します。
特に「安全・安心・不安」というメンタル面に関してはたくさんのことを考えさせられた一年だったのではないかと思います。
今年が始まってすぐにISILによる湯川さんと後藤さんの殺害映像が公開されました。
また、つい先日パリでもテロ事件がありました。
今年6月でイスラム国がカリフ宣言して1年になりました。
この1年間で約4000人の人を処刑したそうです。
現在公開中の、杉原千畝さんという方をご存知ですか?
ある日いきなり領事館に大勢のユダヤ人の人々が押し寄せてきたそうです。
当時日本はドイツと同盟を結ぼうとしているときだったので、日本政府は助けることを許しませんでした。
その数は6000人とも8000人とも言われています。
国が違っても、人種が違っても、宗教が違っても、それでも助けを求めている人は助けたい、簡単なことではないし、その良心の犠牲になる人もいるかもしれない。
日本は今は平和です。
しかし、今この瞬間に命を奪われている人もいるかもしれない。
そう考えると、今の状況にもっと感謝できるし、学ぶべきことはたくさんあると痛感させられる。
安心してください。
安心しています。
とみんなが言えるようになったらいいのに…
頑張れと言ったからといって頑張れる人はいない
今回は日本でもっともよく使われる言葉のひとつ、
「がんばれ」
についてです。
この調査では、「がんばれ」という言葉に有効性がないということが示されています。
また私が関わっている中学生はちょうど思春期にあたり、『反抗期』真っ只中という子も数多くいます。
そんな子どもに対してはむしろ教師や親からの「がんばれ」はマイナスに作用することもあります。
実際に今一生懸命に頑張っている人に「がんばれ!」というのは言葉の選択が間違えているのは間違いないし、頑張っていない人に「がんばれ」というのは効果が薄いというのは、経験上皆わかります。
それではなぜ、「がんばれ」が多用されるのか。
それは「がんばれ」が非常に言いやすい言葉だからだと思います。
相手を応援したいときはもちろんですが、言葉に困ったときなど「がんばれ」の幅はどの言葉より広いと言っても過言ではないかもしれません。
言い手の都合でどんな場面でも使われ、聞き手の都合で多様な捉え方をされる。
「がんばれ」とは便利なようで意外とそうでもないのかもしれません。
と、ここまでが、元のコラムに沿った考えです。
ここからはあえて少し違った立場から見た「がんばれ」の有用性について考えてみます。
前述のように、ほとんどの場面で「がんばれ」は効果がありません。
しかし、そんな「がんばれ」が絶大な効果を出す場面。
それは互いの信頼関係がしっかりと築けている場合です。
みなさんにも経験があるのではないでしょうか。
心から信頼した人に自分が信頼されて言われた「がんばれ」にとても大きな自信をもらったことが、
そういった関係が築けているとき「がんばれ」には言い手の10の想いがつまり、聞き手は10受け取ることができます。
「がんばれ」を多用しすぎて、薄っぺらくなるのはいけません。
できるだけ具体的方策を出して、「どうすれば良いか」を相手がしっかりと理解できるようにする必要があります。
そういう言葉を使える一方で、自分の「がんばれ」を受け取ってもらえるような関係作りもできたらいいなと思います。
強さとは何か、心だと思います。②
前回の記事でも少し触れましたが、人間として成長させたいというのはほとんどの指導者が思っていることだと思います。
それでは実際の現場はどうか。
最優先しているものは何か。
最優先しなければならないことは何か。
中学校という現場では部活動の時間がかなり制限されます。
冬のこの時期は1日30分。
これが11、12、1月と3ヶ月も続きます。
この短い時間の中で自分にできることは何か。
ある指導者はこう言います。
「中学校の部活動はそのスポーツを好きにさせることが大切。
スポーツの楽しさを理解して、本当の厳しさは高校で経験すればいい。
だから中学校では勝つことよりむしろ人間教育や楽しさを伝えることを重視するべきだ。
そうしてたくさんの子どもが高校でそのスポーツを続けてくれるようにしたい。」
またある指導者はこう言います。
「やるからには勝たせてあげたい。学校生活も大事にするし、部活動も大切にする。中学校で厳しい指導をしてそのスポーツが嫌になってしまうようなら、結果的に高校に行ってからでも同じこと。だったら中学校でも勝たせてあげるのが大事。その方が本当に好きになれる。」
両者が両極端だとは思いません。むしろ最終的な想いやゴールは似通ったものなのではないかと思います。
ただアプローチは全然違う。
また、指導者、選手、保護者の3者は必ずしも想いが重なるとは言えません。
むしろ重ならないことの方が多くあります。
その中でいかにして子どもを成長させていくのか、指導者が考えるべきこと、身に付けるべきことは本当に数多くあります。
学生スポーツ界では、特にその日程などで現在多くの問題があります。
例えば甲子園。
投手はプロ野球では絶対にありえない期間で、絶対にありえない球数を投げます。
例えば陸上。
インターハイでは日程の関係で3日で10本近くのレースをこなす選手もいます。また長距離女子では過度の減量で無月経で子どもが産めなかったり、それによる疲労骨折で選手生命を断たれている選手もいます。
例えば高校サッカー。
こちらもJリーグでは絶対にありえない日程で試合を重ねて行きます。
そういったリスクは指導者として常に頭に入れて指導しなければいけません。
さまざまな要因があって、
それでも人間性を鍛え上げ、実力も鍛え上げる…
最終的に子どもが幸せになれる指導とは何なのか。
森島監督からいろいろ学んでみたい。
強さとは何か、心だと思いました
2013年夏、
奈良県立桜井高校を春夏通じて初の甲子園に導いた森島監督の教え子の言葉です。
部活動は人間形成。
言葉でこれを口にしないほとんど人はいないと思います。
どんな形であれ、そのスポーツが強ければなんでもいいんだ、なんて漫画みたいなことを言う人はごくごく稀な存在だと思います。
では、実際にどのくらいの学校が、どのくらいのスポーツがそれを体現しているのか…
これから学校部活動に関わっていく1人の人間として絶対に考え続けなければいけない問題だと思います。
桜井高校は相手のエラーを絶対に喜びません。
ヒットを打っても、ホームランを打っても、そして優勝しても、まず最初に相手を敬い、行動する。だからガッツポーズしたり、その場で喜びを露わにしたりしない。
相手を出し抜いたり、負かしたりするのではなく、自分の内なるもの。心身の奥底から湧き出てくる強さは、何にも揺るがないし、脅かされない。
「強さとは何か、心だと思いました。真心を込めて何かをするということがどれほど強いのか。それはわたしたち人間が生かされているという事だと思いました。甲子園を通して色んな大人の方々が高校生の私たちのために動いて下さいました。こんなにも応援して下さる人がいる、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。私自身も取材をたくさん受けさせてもらい、気付くこともいっぱいありました。甲子園の経験は甲子園で野球をすることだけではないです。この経験を自分の人生に生かしていくために、周りの方々に感謝して、これからも“前心”します」(原文ママ)
甲子園に出場した生徒の言葉だそうです。
人間力、人間性…
さまざまな言葉であらわされるその本質を、どうしたら子どもたちに伝えることができるんだろう。
きっとそれは強い覚悟。信念。絶対に曲げない、太い想いと、それを自分自身が身に付けることなんだと思います。
どんなに子どもに『良いこと』を言っても、指導者の人間性が甘かったらその言葉はただの薄っぺらい言葉になる。
人間は言葉一つで良くも悪くもなる。
その言葉は話す人によって生きも死にもする。
まずは何よりも自分が誰よりも強い想いをもって、生活を送ること、子どもと接すること。
こういう先生と出逢えたら子どもは幸せだと思う。
ちょっと長くなりそうなので、続きはまた明日。
いい言葉は心に響く。
止まらない。
今年見に行ってよかったもの
今年を振り返る…
見に行ってよかったもの…
今年を思い出すと何にせよ
部活に部活に部活という感じでした。
そんな中で「あぁこれは行ってよかった」と思えるのはイタリアです。
行ったのが3月なのでずいぶん昔に感じますが、約1週間新婚旅行でイタリアに行ってきました。
出発が朝だったためか行きはとても長く感じました。
寝ようにも寝れず、『ベイマックス』を3回も見てしまいました(笑)
着いたのはミラノでした。
空港を出ると、海外なので当たり前ですが、本当に異世界でした。
細かな日程までは覚えていないので(笑)よかったことと残念だったことをポイントごとに書きます。
【よかったこと】
・街並。
ヴェネツィアは期待通りでした。
・生ハム最高。
食事に関しては後にも書きますが、生ハムは本当に美味しいです。しばらくは本当に日本のものが食べられませんでした…
・ローマ。
1日自由行動で、いろいろなところに行きましたが、真実の口やコロッセオなど本の中の世界が目の前に広がっていました。
・美術館。
ウッフィツィ美術館に行きました。
これも超有名な絵画ばかりで、圧倒されました。美術に興味は全くありませんでしたが、それでも引き込まれるものでした。
・ツアー。
初ヨーロッパだったので、初めてツアーで旅をしました。そのため安心して旅行できました。
【残念だったこと】
・食事。
は、全体的にしょっぱく感じました。
イタリアの食事は比較的日本人には合うと聞いていましたが、やはり国が違えば味は違うと再認識しました。
・サギ
日本人はやはりいいカモらしく、たくさん声をかけられました。指を思いっきり掴まれたり…ツアーじゃなかったら絶対やられてたと思います。
ヨーロッパに行くこと自体今しか出来ないと思って行きましたが、本当にいい経験でした。
良かったところも残念だったところもありましたが、
仁和寺なる法師
行ったことあるかないかは大きな違いです。
日本が一番いいですけどね(笑)
TIME IS MONEY
時は金なり。
最近朝日新聞のCMにも
登場した言葉です。
もともとはベンジャミンフランクリン
という人が言った言葉です。
みなさんはこの言葉をどう解釈しますか?
日本での一般的な解釈は
「時間というのはかけがえのないものだから何よりも大切にしなければいけない」
というような感じだと思います。
しかし、もともとの意味はもっと直接的なものだったそうです。
「時間を無駄に使えば、その分生産性が落ちて稼げなくなる。」
資本主義のど真ん中という感じで、野性味を醸しているあたりが、これはこれでステキだなと思います。
時間を大切にする。
子どもだけでなく大人でも
その意識の欠落は危機感を覚えるほど
だと思います。
私は先日社会見学で鎌倉に行きました。
そして15時に鶴岡八幡宮という流れでした。
事前の準備時間が短い中で子どもたちなりにプランを立て、細かな時間配分まで決めていました。
しかし、1週間前になって、集合場所が鎌倉宮に変更になりました。
当日、特に渋滞もなく時間どおりに到着し、社会見学が始まりました。
班ごとに大仏など鎌倉の名所を見学したり、小町通りで買い物したりしていました。
私は子どもが多そうなところに何箇所か行き、昼食を済ませ、集合40分前くらいに鎌倉宮に到着しました。
まだまだ時間があったので鎌倉宮を参拝し、皿割りなどをしていました。
ふと時計を見ると14:40。
まだ誰の姿も見えません。
この辺りから少しずつ不安になってきました。
14:50。
まだ誰も見えません。
14:55。
1班目が到着しました。
その後、そろそろとそのクラスの生徒が到着し、丁度15:00にクラス全員が揃いました。
それから5分待っても、10分待っても他のクラスは来ません。
最終的に30分遅れで全員集まり、出発したのは15:40でした。
遅れた理由はさまざまありました。
①14:45鶴岡八幡宮集合に、したクラスがあった。
②集合時間を過ぎてからトイレに行く生徒がいた。
③班別で行動せず、集合時間に集まらなかった。
結果、クラス全員が遅刻しているので、
「自分は悪くない」という気持ちなのか
特に急ぐわけでもない。
そもそも15時鎌倉宮という予定なら15時に出発するというのが私の感覚でした。
それなのに徒歩15分の場所に15分前に集合にするということが信じられませんでした。
TIME IS MONEY
決められた時刻が集合なのか、
出発なのか、
間に合うように来た生徒はどう思っているのか、
考えるべきことはたくさんありました。
まずは大人が、そういった時間感覚をしっかりと持たなければならないなと改めて感じました。
TIME IS MONEY
時は金なり
遅刻は他人の時間を盗っていることと同じ。
TIME = MONEY なら
遅刻は泥棒です。
極端かもしれませんが、それくらいの意識と自覚は教えていきたいなと思います。